子育て中の皆さんお疲れ様です。
今回は子供が産まれて寝かしつけとなるとよく聞く、「ホワイトノイズ」について解説していきます。
皆さんは「ホワイトノイズ」についてどれほど知っていますでしょうか。
「赤ちゃんが寝てくれやすい音」という認識の方も多いかと思います。
ちなみに筆者も最初は同じ程度の認識でしたが、調べてみると色々面白い内容が出てきましたので、学術的な視点と我が家で実際にやってみた結果を踏まえて解説していきます。
目次
ホワイトノイズってどんな音?
ホワイトノイズは全ての周波数で同じ強度となるノイズのことを指し、音としては「シャー」「サー」と聞こえる音がホワイトノイズとのことです。
赤ちゃんがママのお腹の中で聴いていた音に似ていることから、赤ちゃんが安心し睡眠を促す効果や、眠りを妨げる「生活音」を打ち消す効果などがあるとされています。
似た音として、強い雨や滝の音などと表現されることが多い「ピンクノイズ」というものもあります。
ホワイトノイズのメリット・デメリット
ホワイトノイズのメリットやデメリットをご紹介します。
メリット
ホワイトノイズは人間の耳に聞こえるすべての周波数が均等に混ざって出来ている音であるため、不快な音をかき消して気にならないようにしてくれているため、様々な効果があるとされています。
とくに子供たちにとってメリットがあるものとして「安眠効果」「集中力向上」があげられます。
安眠効果
乳幼児のお子さんがいる家庭でホワイトノイズの効果と言えば「安眠効果がある音」として認識されている方も多いのではないでしょうか。
入眠時や睡眠中に聞こえるドアを開け閉めする音やテレビなどの雑音、外から聞こえるサイレンなどの突発的な音をホワイトノイズがかき消してくれるため、入眠までの時間が短くなったり安眠につながります。
これは研究結果としても効果が認められており、過去にホワイトノイズと睡眠誘導の実験でも以下のような結果になったそうです。
生後2日から7日の新生児を20名づつ2つのグループにして調査したところ、ホワイトノイズを聞かせたグループでは、5分以内に眠りについたのは16名 (80%) でしたが、ホワイトノイズを聞かせないグループでは、自発的に眠りについたのはわずか5名 (25%) でした。
余談ですが、ホワイトノイズはママの胎内にいたころの音に近いから寝てくれるは間違いで、胎内音は「高い音域がカットされた低い音」となっており、「ピンクノイズ」が胎内音に近い音とされています。
集中力の向上
話し声や他の生活音などで気が散ってしまう子供も多くいますが、ホワイトノイズは雑音を気にならなくする効果(サウンドマスキング)があるため、集中できる環境を作り出すのに適しています。
子供が遊びや勉強に集中したい時などは、積極的に取り入れて環境作りに役立てましょう。
デメリット
子育て中にはうれしいホワイトノイズですが、メリットだけではありません。
使い方を間違ってしまった時に「難聴」になる可能性があるデメリットも存在します。
では、どんな使い方をしている難聴になるリスクがあるのでしょうか。
難聴になるかもしれない使い方
安全に聴ける音量と時間にについてWHOの発表では「80dBの音量であれば、1週間に最大40時間まで安全に聴くことができ、音量が90dBの場合は安全に聴ける時間は1週間に4時間に減ります。」とされています。
80dbは「パチンコ屋の店内や救急車のサイレン」程度の音とされているので、かなりうるさいと感じると思います。
ちなみに子供の場合、75db以上で同じ症状になるようなので、注意が必要です。
この音量で毎晩入眠時~朝までとなると難聴になる可能性があると言えますね。
とはいえ、音量は距離にも比例するので、赤ちゃんのすぐそばで聞かせるのは音量を抑えているつもりでも思わぬ事故につながるかもしれません。
ホワイトノイズの正しい聞かせ方
「ホワイトノイズを大音量で長時間聴くと難聴の危険性があります」と言われても、じゃあそれってどのぐらいなの?と疑問に思ってしまいますよね。
赤ちゃんの寝かしつけを前提にお話をすると、「音源を2m程度離し、赤ちゃんの耳元で音量を計り50db程度になるように調整し、2~3時間程度にとどめておく」がよいそうです。
音量の50dbはアメリカの新生児室の音量を基準としており、距離については流す機器ごとに出力が異なるため、事故を防ぐためだそうです。
資料:Infant Sleep Machines and Hazardous Sound Pressure Levels
効果をざっくり検証してみた
筆者が子供を2人の子育て中に「ホワイトノイズ」を使用した際に本当に効果があったのか、なかった場合と比べてみたいと思います。
※あくまで個人的にざっくり検証した結果であり、個人差もあります。
睡眠環境
ここでは前提となる睡眠の環境をざっくり紹介します。
1人目の場合
1人目の子供はよく寝る子で、夜泣きもほとんどせず、月齢8ヶ月ごろでは基本的に夜中1~2回程度でした。
入眠までは30分~1時間未満がデフォルトで、お昼寝の時間や回数により若干のずれがある程度でした。
このころホワイトノイズを試しに導入してみましたが、もともとがよく寝てくれるため、効果はほとんど実感できずに1週間程度でやめてしまいました。
2人目の場合
2人目の子供はあまり寝つきがよくなく、夜泣きの回数も多かったため、月齢8ヶ月ごろでは夜中に3~4回ほど起きることが多く、入眠までも1時間程度かかっていました。
ホワイトノイズを試したところ、毎回ではないですが入眠まで30分程度、起きる回数は2~3回まで減っていることが多くなった印象でした。
結論
印象としては個人差はありますが、寝つきがよくない子供には効果がありそうでした。
2人目の子供は音によく反応するタイプでもあったため、ホワイトノイズが効果的だったように感じます。
まとめ
ホワイトノイズは生活におけるその他の雑音をかき消してくれる特性があるため、音が原因となる寝つきの悪さや、夜泣きなどの回数を減らすのに役立ちそうですね。
とはいえ、ホワイトノイズが音である以上、使い方を間違えると難聴などのリスクがあるため、しっかり使用環境を整えてから使うことを心がけましょう。
今回「ホワイトノイズ」を調べていると間違っている内容や、参考資料よりも飛躍した内容があるなど、他の子育て情報に比べて情報が錯そうしている印象でした。
「ママの胎内と同じ音」「寝てくれる」など行き過ぎた内容もあるため、注意が必要です。
ホワイトノイズは生活の雑音を打ち消しやすいから、音が原因で寝てくれない赤ちゃんには効果があるとは思いますが、他の要因がある場合もあるため、赤ちゃんの睡眠については複合的に考え、盲信だけはしないようにしてください。
※ママの胎内に近い音は「ピンクノイズ」です。