【意外と気になる】子供の指しゃぶりは何歳まで?指しゃぶりが長く続いてしまった時の対応方法

子育て・出産

子育て中の皆さんお疲れ様です。
お子さんは指しゃぶりをしていますか?
「周りの子供はもう指しゃぶりを卒業しているのに、うちの子は何歳まで指しゃぶりしているんだろう」と思ったことありませんか?
我が家でも下の子の指しゃぶりが長く続き、不安に思ったことがあります。
今回は指しゃぶりについてと長く続く場合の対応方法について解説します。

指しゃぶりをする年齢

指しゃぶりは、大体1歳から3歳頃に見られます。
供が自己安定を図るための自己慰安行動の一つとされていますが、年齢が進むとともに自然に減少する場合が多くなっています。
一部には4歳以降も指しゃぶりが続く子供もいて、その場合は指しゃぶりが持つ意味も変わってきます。

指しゃぶりは、子供が安心感を求め、自己調整を試みる方法の一つであり、必ずしも「悪いこと」ではありませんが、年齢が上がると歯並びや社会的な影響などを考慮して、少しずつ減らすことが勧められることもあります。

指しゃぶりの年齢別ざっくり早見表

  • 1歳〜3歳: この時期は、指しゃぶりが最も一般的で、心の安定を求めて行うことが多いです。
  • 4歳〜6歳: 多くの子供はこの年齢までに指しゃぶりをやめますが、環境や家庭の影響、ストレスの程度によって続くこともあります。
  • 7歳以上: 稀ではありますが、指しゃぶりが7歳以降も続くことがあります。この場合、心理的な問題や不安、ストレスが影響している可能性があります。

どうして指しゃぶりをするの?

もともと赤ちゃんの頃は「吸てつ反射」という口に触れた物に吸い付く反射運動があります。
これにより母乳やミルクを飲むことが出来ます。
また、この反射により自分の手をしゃぶって味や形を確かめ学習していきます。
その後の成長の過程で、指しゃぶりにどんな意味があるのか見てみましょう。

ストレスや不安の緩和・自己安定

指しゃぶりは子供が自己安定を図るための「自己慰安行動」の一つとされており、子供は言葉で自分の感情を表現するのが難しいため、指しゃぶりは安心感を得る手段でもあり、不安やストレスを和らげるとされています。
環境が変わるなど家庭や生活に変化があると子供は不安を感じやすく、その不安を指しゃぶりによって軽減しようとします。

心理学的な観点からも、指しゃぶりは「不安緩和行動」や「自己調整行動」として捉えられています。研究では、「ストレスや不安を感じた時に、指しゃぶりが子供にとって心理的な安定をもたらす」とされており、とくにママやパパがの不在や家庭内のストレスが指しゃぶりを引き起こす原因となることがあります。

発達段階としての行動

指しゃぶりは、子供の発達段階において自然な行動の一部です。
多くの子供はこの時期を過ぎると指しゃぶりをやめますが、心理的に成熟するために重要な過程だそうです。

眠くなるときのリラックス行動

寝かしつけや寝ようとしている時などに、指しゃぶりをする子供が多いようです。
赤ちゃんや幼児がリラックスし、眠りに入る準備をするための一環としてすることが多くあります。
指しゃぶりは安心感を与え、眠りをサポートする役割を果たしていることが多くあります。

環境などの影響

家庭や育てられている環境にも影響されます。
例えばママやパパが不在がちなどで子供が安心感を感じられない時など、指しゃぶりを多くすることがあるそうです。
また、兄弟姉妹の影響や友達との関わりの中でも、指しゃぶりが増えることもあります。

指しゃぶりのメリット

赤ちゃんが成長するうえで必要なことでもある指しゃぶりは、成長面でも大きなメリットがあります。

心理的安定

指しゃぶりはおっぱいを吸っているような感覚に近くなるため、子供の心を安定させてくれます。
とくに幼児期には、例えば初めての場所にいったり、ママやパパが近くにいないなどの理由で子供が不安や緊張を感じたときに自己安定を図る手段となります。
また、リラックス効果もあるため、子供は指しゃぶりを通じて、感情が高ぶったときのクールダウン方法を無意識に学んでいきます。

発達を促してくれる

赤ちゃんは、手で触って口に持って行き、形や感触を確かめることで学習していきますが、指しゃぶりも同様に自分の手の味や形を確かめています。
そうすることで、食事や発音、口腔の使い方の基礎作りにつながります。

また、Braungart-Rieker et al. (1998) の研究では、乳児の指しゃぶりは情緒的な刺激に対するストレス反応の自己調整行動として機能するとされています。
そのため、指しゃぶりは、子供が自分の感情(不安・怒り・退屈など)をコントロールするための「自己調整」の1つであり発達に関与しているそうです。

入眠の補助

寝かしつけに苦労されてる方もいらっしゃると思いますが、指しゃぶりは入眠の補助もしてくれます。
Mindell et al. (2006) の睡眠研究では、入眠における繰り返し行動としての指しゃぶりが睡眠の質や睡眠への移行を助けることが報告されています。

指しゃぶりのデメリット

基本的に3歳までの指しゃぶりには大きなデメリットはありませんので、4歳以降の指しゃぶりにデメリットがあると思っておいてください。

歯並びへの影響

長期的な指しゃぶりは、歯や顎の成長に影響を与え、開咬(かいこう)や上顎前突(出っ歯)などの不正咬合を引き起こす可能性があります。
4~5歳以降で頻繁な指しゃぶりがある場合、永久歯の噛み合わせに悪影響があるそうです。

日本小児歯科学会によると、3~4歳以降の持続的な指しゃぶりは歯列不正のリスクを高めるとされており、これは指を吸う力が口腔内に圧をかけ、歯や骨格の形を変えてしまうためだそうです。

発音への影響

指しゃぶりが長引くと、舌の位置や動きが適切に発達しないため、発音(構音)に影響が出ることがあるそうです。
とくに舌の位置が重要な音の発音が不明瞭になるケースがあり、これは指しゃぶりが舌が不自然に前に突き出す癖や舌の筋力不足を招き、正しい発音の獲得を妨げることが原因とされています。

音声学的研究によると、開咬などの歯列不正があると、舌の適切な運動が阻害され、構音障害のリスクが高まるとされているそうです。

衛生面への影響

頻繁に指をしゃぶることで、吸っている指の皮膚にただれ、角化(硬くなる)、変形などを引き起こすことがあるそうです。
また、指を頻繁に口に入れることで、細菌やウイルスの経口感染のリスクが上昇してしまいますし、とくに保育園・幼稚園など集団生活の場では、感染症へのかかりやすくなります。

米疾病予防管理センターでも、手指からの病原体侵入は小児における主な感染ルートとされており、手洗い・指しゃぶり予防が感染対策に重要であると明言されています。
また、皮膚バリア機能が低下することで、黄色ブドウ球菌や真菌などによる二次感染のリスクも指摘されているそうです。

人間関係への影響

指しゃぶりが続いてしまうと、周りの子供とは違うことで園や学校で他の子どもにからかわれるなど、社会性の発達にも影響する可能性があるそうです。
就学前後から他児との比較や羞恥心が形成されるため、ママやパパもしっかり見守ってあげる必要があります。

指しゃぶりをやめてもらう方法

4歳以降も指しゃぶりが続く場合はデメリットの影響もあるため、指しゃぶりをやめられるようにサポートしてあげた方が安心ですよね。
指しゃぶりをやめさせたい場合は、強制的にやめさせるのではなく、子供の心と発達に寄り添いながら、段階的にサポートするのが理想的です。
ここでは指しゃぶりの解消方法を解説していきます。

安心感を与えてあげる

不安から指しゃぶりをしてしまう場合もあるため、子供が安心できるように努める必要があります。
例えば子供とのスキンシップを増やしたり、子供との時間が少なければ毎日のルーティンに5分だけでも子供のことだけに集中する時間を作る、コミュニケーションの方法を変えてみるなど子供が安心できるように、関わり方を見直してみましょう

また、ママやパパとの関わりだけで引越し、入園、親の不在、家庭内の不安など、指しゃぶりの背景には環境ストレスが潜んでいる場合が多くあります
関わり方だけでなく、子供を取り巻く環境全体をしっかり確認して対応していきましょう。

指しゃぶりを叱るのはNG

指しゃぶりは多くの場合、安心・ストレス軽減のための自己調整行動です。
叱ったり無理にやめさせたりすると、かえって情緒不安定や別の癖(爪かみ、チックなど)に移行する可能性もあるため控えましょう。

反対に「やめた」ことに注目して褒めることで、子供自身が意欲的に変わろうとします
指しゃぶりしていなかった時間を見つけたら「今お指しゃぶってなかったね!すごい!」と具体的に褒めるなど、なるべく子供が前向きになれるような肯定的な言葉をかけてあげましょう。
ご褒美シールを用意してあげるのも効果的です。

自己意識に訴えかける

3歳ごろからは他者の視点を持ち始め、社会的なルールや恥ずかしさの感覚が育つため、この発達段階を利用して、「自分でやめたい」と思えるように促すことも有効です。
例えば、「保育園のお友達は指しゃぶりしてるかな?」と優しく問いかけながら周りかどう見えるのかを意識できるようにしたり、鏡を使って自分の姿を見せて「お兄さん(お姉さん)になってきたね」と声をかけることで、自分を客観視できるようになります。
また、絵本などを通じて間接的に意識してもらう方法もあります。

代わりになる行動やアイテムを用意する

指しゃぶりを無理にやめさせると、子どもが安心を得られる手段を失ってしまうため、ぬいぐるみ、ハンドタオル、深呼吸など代わりになる行動やアイテムを与えてあげることが有効です。
例えば指をしゃぶりたくなったらママやパパのハグや手を握るなどのスキンシップをしたり、不安や退屈を感じやすい時間帯にストレス解消になる遊びをする、寝る前にお気に入りのぬいぐるみや毛布を一緒に用意するなど、子供と相談しながら代わりを用意してあげましょう。

防止グッズを利用してみる

指しゃぶりを物理的にやめてもらうため、防止グッズを利用してみましょう。
防止グッズはマニキュアタイプ・クリームタイプ・手袋・指キャップなど色々なモノがあるため、子供の状況に合わせて使用してあげましょう。
防止グッズの中でも口に入るものを使う場合には、安全性やアレルギーに考慮されたものを選ぶことで、事故を防ぐことにもつながるためしっかり確認しておきましょう。

専門家に相談する

どうしても指しゃぶりが治らない場合には、指しゃぶりが情緒不安や発達障害のサインとして現れるケースもあるため、医師や心理士、保健師、言語聴覚士などの専門家に相談してみましょう。

まとめ

指しゃぶりのボーダーラインは3歳までですが、4歳以降も続くようならデメリットの影響が大きくなってしまうため、やめられるようにサポートをする必要が出てきますが、それまでは無理にやめさせたりはせずに自然に収まるのを待ちましょう。
3歳までの指しゃぶりは子供が成長するために必要なことなので、周りの子が指しゃぶりをしていないからと焦る必要はまったくありません。
「大器晩成型なんだ~」ぐらいにどっしり構えておきましょう。