【育児で落ち込んだ時やってみて】心理カウンセラーが教えるストレスを感じた時にやりたい6つの方法

子育て・出産

育児中の皆さんお疲れ様です。
育児をしていると子供のことでストレスを感じることはありませんか?
程度の差はあれど育児をしている皆さんが必ずと言っていいほど、ストレスを感じ落ち込む場面があります。
「母親・父親失格だ…」「やつあたりしてしまった…」「子供がかわいくない…」などケースは様々ですが、後悔と罪悪感で辛い思いをしている人はたくさんいます。
今回は心理カウンセラーとしても活動している筆者が、子育てでストレスを感じて、メンタルが落ち込んだ時に実践してみてほしい6つの方法について紹介します。

ストレスに直面したとにすぐに実践できる方法

ここではストレスを感じた際にすぐに実践できる、その場で少しでもストレスを緩和できる「リラクゼーション法」と呼ばれる方法をご紹介します。

腹式呼吸

※呼吸器系に疾患がある場合などは避けてください。

人は不安やストレスに直面すると、呼吸が浅く早い呼吸を胸でする傾向があります。
そのため、その場で深くゆっくりとおなかを使って呼吸をする「腹式呼吸」を行い、不安やストレスを和らげましょう。

  • 右手を胸に左手をお腹においてゆっくり呼吸する:深くゆっくりとした呼吸をお腹を使って行い、この時左手だけがお腹のふくらみに合わせて動いているの感じられます。
  • 数を数えながら息を吸う:頭の中で1・2・3まで数えながらゆっくり息を吸いましょう。
  • 息を止める:頭の中で1・2・3まで数えながら息を止めましょう
  • 数を数えながら息を吐く:頭の中で1・2・3まで数えながらゆっくり息を吐きましょう・
  • 息を止める:頭の中で1・2・3まで数えながら息を止めましょう
  • 何度か繰り返す:落ち着くまで繰り返し同じリズムで腹式呼吸をしましょう。

筋弛緩法

緊張や不安を感じた際に体がこわばる経験はありませんか?
筋弛緩法は強いストレスに晒された時にも同様に使える手法です。
各部位の筋肉を緊張させ、一気に力を抜くことでその部位をリラックスさせることが出来ます。
やることは非常に簡単で、「4~5秒程度力を入れて、一気に力を抜く」を繰り返して、力が抜けていく感じを実感することです。
筋弛緩法によるリラックスの方法は段階ややり方など、様々ありますが、ここでは簡単にその場でできる方法をご紹介します。

まずは「手」から始めてみましょう

その場ですぐに弛緩法を行える部位は「手」です。
まずは利き手から「4~5秒程度力を入れて、一気に力を抜く」を繰り返してみましょう。
繰り返していくと力が抜けて利き手がリラックスしていくのを感じれると思います。
リラックスしてしていく状態を感じることが出来てから他の部位も同様にやってみましょう。
おススメの順番は下記です。

  • 利き手:握りこぶしを作るように力を入れましょう
  • 反対の手:利き手と同様に握りこぶしを作るように力を入れましょう
  • 顔:顔をしかめるように力を入れて、顎にも力を入れましょう
  • 首:顎を引くように力を入れましょう
  • 肩:肩をすくめるように力を入れましょう
  • 胸:上半身を少し丸めるように力を入れましょう
  • お腹:腹筋を収縮させるように力を入れましょう
  • 背中:背中を少しそるように力を入れましょう
  • 脚:つま先を前に押し出すように力を入れましょう
  • 全身:可能な限り全身に力を入れましょう

日常でできるメンタルケアの方法

毎日少しの時間でも好きなことをやる

我々カウンセラーの中でも推奨されている方法ですが、日々のメンタルケアのために、一日10分でもよいので、趣味や運動など自分の好きなことに触れ、ストレスを発散します。
育児をしているとこの時間が取れるのは、「子供が寝ている時間」が主になってくるかと思います。
毎日となると、できる内容が自宅内もしくは、子供も連れていける場所になりがちです。
アウトドアが趣味だとなかなかできませんが、自宅内でできる趣味とはいかないまでも、自分が楽しいと思えることをやってみましょう。

例えば動画の視聴やゲーム、読書、自宅でできる軽い運動、子供を連れた散歩など、毎日できることを考えてやってみましょう。

パートナーにその日の出来事を聞いてもらう

毎日家で顔を合わせる夫婦は多いかと思います。
夫婦での会話は充足感やオキシトシンというホルモンが分泌され、ストレスが和らぐとされています。
時間が合わない場合もあるかと思いますが、できるだけ毎日少しでもいいので、その日の出来事や朝であれば前日の出来事などを話せる時間を作りましょう。

自由な時間を作る

子供がいる場合「自由な時間を作るのが難しい」と諦めてしまっていませんか?
子供の世話から解放され、好きなことをやる時間はとても大切で、ストレスの発散には最高です。
これを実現するためには、周りの人の協力が必要だったり、お金がかかる場合もありますが、ストレスを溜め過ぎた時のリスクと比較して、必要だと感じたら周りの協力を得て時間を作ってみましょう。

時間を作るには周りの協力が必要なため、まずはパートナーと話し合ってみましょう。
子供を預けるのはパートナー以外にも下記などがあります。

  • ベビーシッター:民間企業が運営しており、値段も少々高めですが、元保育士など安心して子供を預けられる方が多いです。
  • 育児支援サポーター:各自治体が提供しているサービスで、名称は自治体ごとに異なりますが、金額は安価です。基本的に自治体に認められた方が面談の後、訪問日を決めて話し相手になったり、アドバイスなどをしてくれます。
  • 産前産後ヘルパー:自治体や民間企業が運営するサービスです。サービス形態が運営によって異なるので、確認が必要ですが託児も可能な場合もあります。
  • ママやパパの両親・親族:ママ側との相性に注意が必要です。とくにパパの両親や親族だとママが気を使ってしまう場合も多々あるため、勝手な思い込みでママに確認せずに打診するのはやめましょう。

ストレスになる原因を解決する

子育てでストレスに感じることの原因は子供やパートナーなど、人に起因する場合が多いです。
その場合人を変えることは難しく、自分の「考え方」や「行動」を変えてみると、相手の対応や自分のストレスの感じ方に変化が起こります。
ここでは、認知療法に基づいた内容をかみ砕いて、簡単に実践できる内容をご紹介します。

考え方を見直してみる

落ち込んでしまう、ストレスを感じる出来事があったとき、その出来事を客観的に正しく認識できているかが重要です。
人はそれぞれ自分の中に認知の「クセ」があり、客観的に見た際に事実とは異なった認識をしてしまういわゆる「思い込み」が起こることが多々あります。
正しく原因を理解するために、原因になった出来事をまず書き出してみましょう。
「遊びに夢中でお風呂に入りたがらない子供」を例に挙げて解説していきます。

1.原因を書き出す

まずは原因となった出来事の「事実」のみを書き出してみましょう
この時「自分がどう感じたか」は抜いて考えます。
例えば「子供にお風呂に入るように促したが、まだ遊びたいと『わがまま』を言ってお風呂に入らず、言うことを聞かないので『イライラ』して怒鳴ってしまった。」だと『わがまま』や『イライラ』は子供ではなく親の受け取り方や気分が入ってしまっているので、『』を抜き、どのように促し、何を理由に怒鳴ったのかなど「事実」のみを正確に書き出してください。

今回であれば「お風呂に入るように声をかけたが、まだ遊びたいと言われ、言うことを聞かないので怒鳴った」となります。

2.その時感じた自分の気持ちを書き出す

次に「感情」など自分がどう感じたのかを書き出してみましょう。
その時の出来事を思い出しながら、だれにも忖度はせず素直な気持ちを書いてみましょう
例えば「イライラ」「後悔」「悲しい」などなるべく気持ちをそのまま書き出してください。
もちろん、その時の感じた感情は複数あっても構いません。
その時には、それぞれに○○%のように割合を記入してみてください。

3.その時に考えていたことを書き出す

落ち込んだり、ストレスを感じた時に「考えていたこと」を書き出してみましょう。
例えば「どうしていうことを聞いてくれないんだろう」「優しく言っているうちに行動しないのは、どこかおかしいんじゃないか」「お風呂に入る時間なのに自分から行動せず、わがままばかり言う困った子」「親を馬鹿にした態度に腹が立つ」「怒鳴ってしまって親失格だ」などその時を思い出して、考えていたことを書き出しましょう

事実、気持ち、考えを書き出せば、当時の状況を客観的に見るための材料が揃います。
ここからは「深堀」に入っていきます。

4.考えいたことの根拠を書き出す

考えていたことを書き出したら次はその考えを裏付ける「根拠」として「事実のみ」を書き出してみます
事実のみなので、相手の心を読んでみたり思い込みは除外するように意識してみましょう。
今回であれば子供のことなので、普段の生活から根拠になりそうなことを見つけるとよいかもしれません。

例として前項目の考えていたことに対しての根拠を挙げてみます。
「遊んでいると、周りが見えなくなる」「優しく諭す言い方よりも、怒鳴ってから行動する回数が多い」「時間の配分ができておらず、園や学校への出発時間にも遅刻していることがある」「周りの大人や友達が注意してもふざけていることが散見される」「怒鳴ると子供を委縮させ、恐怖心を与える」など実際に起こっている出来事や事象を根拠として挙げてみましょう。

5.考えていたことに反論してみる

今度は当時考えていたことに反論を書き出してみましょう
自分の考えに反論するのは意外と難しいので、まずは下記のように考えてみるとよいかもしれません。

  • 周りの人が同じ考えであれば、自分はなんと言うか
  • 親しい人、尊敬する人、参考にしている人だったら自分になんと言うか
  • 落ち込んでいない時、気分がいい時ならどう考えるか
  • 過去の体験で似たようなことがあった場合、どう考えて解決したか
  • 子育ての情報をもとにしたら、なんと言うか

6.子供気持ちを書き出す

ストレスを感じた対象が「子供」だった場合のみ、この内容を書き出してください
原因がパートナーや他の人にある場合は、この項目は飛ばしてください。

子育てにおいて子供の気持ちを無視してはいけません。
子供の気持ちを「もっと遊びたかった」「怒鳴られて怖かった」「理解してくれなくて悲しかった」など予想の範疇で書き出してみてください

次は実際に子供に当時の気持ちを聞いてみましょう
「さっきお風呂に入らなかったとき、怒鳴ってしまったけど○○はどう感じたか教えて?」などなるべく穏やかに声をかけてコミュニケーションを図り、子供の気持ちを引き出してください。
もちろん子供は気持ちをすべて言語化できるわけではありませんので、無理にすべてを引き出しす必要はありません。
無理に聞きすぎると、子供が追い詰められたように感じてしまう場合もあります。

予想した子供の気持ちと、実際の子供の気持ちに乖離があってもそのまま書き出しておきましょう。
予想と実際の気持ちの乖離は次の項目で使用します。

7.新しい考え方を書き出してみる

落ち込んだことやストレスに感じたことについて、どのように対応すれば解決できるのか考えていきます。
当時の考え方に反論し、子供の気持ちも書き出してみたと思います。
ここからは似たようなケースがあった場合に今までとは違う考え方をして、行動するために新しい考え方について書き出してください

今までとは違う「新しい考え方」は根拠や反論、子供の気持ちの項目で書き出した内容をもとに、自分なりに考えてみましょう。

  • 「根拠」として挙げた普段の様子をもとに「反論」の考え方を自分なりに対応するにはどうしたらいいのか?
  • 予想していた子供の気持ちと実際の子供の気持ちの違いを知り、子供の「感じ方」に沿った行動をするにはどうしたらいいでしょうか?
  • 考え方に正否はありません。子供とあなたにとって最善になることをあなたなりに考えてみましょう。

8.新しい考え方を評価してみる

前項目で新しい考え方を書き出した時に、期待できそうな効果を書き出してみましょう
例えば「気持ちに余裕が持てるから、怒鳴らなくて済みそう」「子供の気持ちに寄り添って、もっと子供を理解できそう」「続けていけば子供も素直に動いてくれそう」など考え方を評価してみましょう。

得られる効果に期待が持てそうなら、行動に移してみましょう。
もしも評価してみて自分に合わなかったり、負担が大きすぎる感じる場合には「新しい考え方」をもう一度書き出してみましょう。

9.行動してみる

新しい考え方の評価まで終わり効果が期待できそうなら、次は行動です。
まったく同じケースがない場合でも似たようなケースが起きた時に、「新しい考え方」を実践してみて、実際にうまくいったのか、うまくいかなかったのかを書き出して、うまくいかなかった場合は再度、考え方を調整してみましょう。

カウンセリングを利用してみる

カウンセリングと聞くと皆さん、「うつ病や精神的に不安定な人が利用するもの」と考える人が多いのですが、そんなことはありません。
ストレスが溜まっていたり、「誰かに話を聞いてほしい」ぐらいの気持ちで利用することもできます。
心療内科のような病院ではなく、心理カウンセラーがやっているカウンセリングルームでは、薬の処方などはできませんが、カウンセラーは心を軽くするために話を聞いたり、不安やストレスを和らげるために一緒に考えるパートナーのような存在にもなれます。
もしもストレスや不安、落ち込むようなことがあったら、カウンセリングを受けるのも1つの選択肢かと思います。

まとめ

今回は「ストレスを感じた時すぐにできる方法」と「毎日ストレスを溜めない方法」「解決のための方法」について、なるべく子育てしながらでもできる方法をご紹介しました。
子育てをしていると、子供の成長がうれしかったり、子供と過ごす時間が楽しいと感じることも多い反面、落ち込んでしまったり、ストレスに感じる場面もかなり多いと思います。
「ストレスを感じた時すぐにできる方法」と「毎日ストレスを溜めない方法」はできればその都度、毎日実践をしてもらえると、かなりストレスの軽減を実感できるかなと思います。

今回紹介した内容は心理療法としても用いられる、「認知行動療法」や「認知療法」から抜粋し実践しやすい内容をかみ砕いて紹介しています。
心理カウンセラーとして活動している筆者も子育て中に実践し、ストレスは減ったように感じますが、もしもやっていなかったら、もっと子供や家族にキツく当たってしまっているかもしれません。
少しでもストレスを軽減することは、自分だけではなく、子供や家族にとってもよい結果を生みます。
ぜひ自分に合った、ストレス解消方法も探してみてください。