無事に産まれた子供が大きくなり、幼稚園や保育園に通う月齢になったとき、子供が幼稚園や保育園に行きたがらないことありませんか?
筆者の子供も保育園に行きたがらないことがよくあり、かなり困ったことを覚えています。
親としては「ただのわがままで困らせないで!」なんて思うこともあるかと思いますが、実は子供の行動には理由があり、しっかり対応してあげないとずっと行きたがらない状況が続いてしまうこともあるので、今回は子供が幼稚園や保育園に行きたがらない理由と対策をご紹介します。
目次
「登園渋り」の理由
幼稚園や保育園に行きたくない「登園渋り」は、ママやパパは誰しも経験していると言えるぐらいによくあることです。
もしも、登園渋りについて悩んでいらっしゃる方は「うちの子供だけ何か変なんじゃないか!」「聞き分けがない!」と思う必要はありません。
誰しも一度は通る道なので、まずは理由を知っていきましょう。
ママやパパと離れたくない
非常にポピュラーでわかりやすい理由ではありますが、「母子分離不安」と呼ばれています。
それまでずっとママやパパと一緒だったのに、登園が始まると一人で新しい環境で新しい人々との関係を気づいていかなければならす、不安を感じてしまい、登園渋りが起こります。
他にやりたいことがある
園に慣れてもよく起こる理由です。
例えば「テレビを見たい」「家にあるおもちゃで遊びたい」など子供たちの中で登園よりもやりたいことの優先順位が高くなっている状態にあります。
忙しい朝の時間にこの理由だとイラっとしてしまうかもしれませんが、子供にとって家や遊びが本当に楽しい証拠でもあります。
新しい環境に慣れていない
お家とはまた違ったルールの中で、新しい人たちとの集団行動にまだ完全に順応できておらず、不安を感じている時によくみられる理由です。
とくに3歳前後の子供によくみられる傾向があります。
また、新しい環境だけではなく長期休みがあった後にもよく起こりますので、もう大丈夫だと思っていても急に出てきます。
嫌なことがあった
子供たちは大人が思っている以上に繊細です。
「お友達と喧嘩した」「おもらししちゃった」「苦手な人がいる」など自身が嫌だと感じることがあると登園渋りが起こります。
また、「外で遊ぶのがイヤ」など楽しいことと思われがちなことでも、子供よっては嫌なことになりえるので、注意が必要です。
連絡帳や先生からの連絡、子供の話をよく聞いて対応してあげたいですね。
体調不良
単純ですが、熱がない場合でも「頭が痛い」「おなかが痛い」「気持ち悪い」など体調不良がある場合にも登園渋りが起こります。
子供の食欲や便の様子、朝の様子をしっかり見てあげて、休ませて病院へ連れて行くなどの対応を行ってください。
生活環境の変化
新しい環境への慣れが原因で登園渋りが起こることが多いですが、これは家庭環境においても同じです。
「転勤などで引っ越しがあった」「不規則な生活を送っている」「家族が増えた」などいつもの家庭環境に変化があった場合などは不安や緊張から登園渋りが起こりやすくなっています。
とくに不規則な生活は子供の心身に大きな影響を与えます。
メンタルが不安定になっていると登園渋りだけでなく、癇癪を起しやすくなったりほかの事にも影響が大きいため、注意が必要です。
登園渋りの対処方法
登園渋りの理由について紹介しましたが、ここからはその対処方法についてご紹介します。
対処方法の前提として知っておきたいのは「否定しない」「共感してあげる」です。
朝に登園渋りが起こるとイライラしてしまう気持ちもわかりますが、子供のため、そして登園渋りが長引かせないためにも前提である2つの事は絶対に守りましょう。
登園したくない理由をヒアリングする
子供の登園渋りには理由が必ずあるため、まずは理由を聞いてあげてください。
どんな理由であっても必ず「否定しない」「共感してあげる」を守って「そうなんだね。行きたくない理由を話してくれてありがとう。」など子供の気持ちに寄り添った返答をしてあげてください。
前向きな言葉をかけてあげる
登園渋りの理由が体調不良以外なら、まずは「園でお友達や先生が待っているよ!」「今日の給食はなにかな?お迎えの時におしえてね。」「今日は天気がいいからお外でお友達と遊べるね。」など子供の興味があるものに絡めてポジティブな言葉をかけてあげましょう。
お気に入りのものを持っていく
子供のお気に入りのおもちゃやぬいぐるみを持っていくことで、寂しさや不安が薄れ安心感が増します。
園の中には持っていけなくても登園の間だけ、子供に持たせておくとよいでしょう。
登園前に少し遊ぶ
「ちょっとだけ遊んでから行こうか!」など少しだけ時間をつかって遊んで気を紛らわせてあげると、緊張や不安が薄れ、登園に前向きになります。
注意点としては「まだ遊びたい」とならないように「時計の針がここに来たら終わりね」など時間を決めて遊んであげましょう。
園の先生に相談する
園の中で嫌なことがあった場合は、それを解決してあげないと登園渋りが継続してしまうため、どんな嫌なことがあったのか子供にヒアリングをしたあと、その原因を先生に相談して解決してあげましょう。
「~に叩かれた」「~に嫌なことされた」などであれば子供の話だけを鵜呑みにせず、先生にも当時の様子を確認しながら一緒に問題解決を図るようにしましょう。
生活習慣を見直す
不規則な生活が続いている場合には、生活習慣を見直してあげてください。
とくに最近の家庭で多いのは寝不足です。
3~5歳までの場合、推奨される睡眠時間は10~13時間なので、園でのお昼寝時間を考えて、逆算してみてください。
年齢別の睡眠時間は下記のサイトをご確認ください。
教えてドクター! 子どもの睡眠5つの質問
食事や支度、お風呂などは睡眠時間を基準に習慣化してあげられるとよいですね。
共働きなどで難しい場合には睡眠を優先してあげるだけでも大きな改善になります。
休ませる
体調不良を訴えた場合だけでなく、登園渋りが続くようであれば思い切って休ませてあげましょう。
登園渋りが続くときは、ストレスや大きな不安を抱えている場合があり、休ませて一緒に思いっきり遊んであげるなどママやパパとたくさんコミュニケーションをとることで解消することもあります。
その際、「今日は特別に休んで一緒に遊んじゃおっか。」など「特別」であることをしっかり子供に話しておきましょう。
共働きの場合、当日の朝にいきなり休みを取ることは難しいですが、その場合は「明日はお仕事お休みするからいっぱい遊ぼう!今日だけ頑張れるかな?」などの約束をしてあげるのもいいかもしれません。
登園渋りのNG行動
対処方法までご紹介しましたが、子供の性格や状況によって、うまくいかないときもあります。
その時に知っておいてほしいママやパパが絶対やってはいけないNG行動をご紹介します。
怒る
朝の貴重な時間に子供の登園渋りが起きてしまうと、イライラしてしまう気持ちも大変わかります。
しかし、登園渋りは子供からのサインでもあるため、しっかり向き合ってあげてください。
もしも理由も聞かずに感情に任せて子供を怒ってしまったり、叱ってしまうと恐怖心や園に対する嫌悪感が子供の中で増してしまうため、登園渋りが頻繁に起こってしまう原因にもなります。
イライラした気持ちは、同僚や友達に愚痴を吐き出すなどで発散するようにしてください。
無理やり連れていく
たまに見かける光景ですが、園に行きたがらない子供を手を引っ張るなど無理やり連れて行くのは非常に危険です。
暴れる子供を無理やり連れて行こうとすると、思わぬケガや事故につながるだけでなく子供の中で園が嫌なものとして認識されてしまうので、登園渋りが継続する原因になります。
また、子供も不機嫌なまま園にいくため、園内で問題を起してしまうなどの行動につながる場合もあります。
他の子供と比較する
「~ちゃんは保育園いってるよ。なんで~はいけないの?」などの言葉は絶対にNGです。
他人と比較したり、人格を否定する言葉は、登園渋りの解消どころか子供の心身や成長に悪影響を与えてしまいます。
絶対にやめてあげてください。
まとめ
子育てしていると当たり前のように起こります。
子供なりの理由だけでなく、もしかしたらいじめにあっていることにも気が付けるかもしれません。
ただの子供のわがままというだけで片付けず、子供からのサインだと思って冷静に対応をしてあげてください。
登園渋りは筆者も本当に苦労をしましたが、理由を聞いてあげると子供の気持ちがよくわかり、子供とのコミュニケーションにもなりますので、対処方法を知っていると心の余裕にもつながります。
子供が話す理由もバリエーション豊富なので、楽しめるぐらいになれたらもう無敵ですね。
ぜひ皆さんも登園渋りがあった際にはちゃんと理由をきいてあげてください。