【安全第一】幼児期のプール遊びで注意するべき6つのコト

子育て・出産

子育て中の皆さんお疲れ様です。
暑くなるこの季節では幼稚園や保育園などでも、水遊びやプール遊びなども始まってきているのではないでしょうか。
また、夏に近づくにつれ家族でプールに行ってみたり、家庭用プールで初めてのプールデビューなどもあるかもしれません。
今回は、幼児期のプール遊びで注意するべき6つのコトについて解説していきます。

プール遊び注意すべき6つのコト

楽しいプール遊びをするために安全性の確保は、必須事項と言っても過言ではありません。
今回解説するのは、プール遊びでもとくにママパパに注意してほしい内容になっています。
ぜひ、今年のプール遊びでは安全のために注意をしてみてください。

溺れるリスク

2014年のWHOによる発表では、溺水は1〜4歳の子供における主要な死因の1つとされています。
家庭用プールなら浅いから安全と言うわけではなく、水深が10cm未満でも溺れることがあります。
とくに幼児は頭が重く、バランス感覚が未熟なため、うつ伏せに転倒して顔を水につけたまま起き上がれずに、溺れてしまった事例も存在します。
プールサイドで遊んでいて滑り落ち、水に顔をつけたまま動けなくなるケースも報告されています。

子供が溺れてしまったら、音で気が付くと思っているママパパもいるかもしれませんが、幼児の溺水は「音がない」ことが特徴です。
呼吸のタイミングで水を吸い込むと、パニックになりわずか数十秒で意識を失う可能性があり、バタバタと助けを求めることができず、静かに溺れてしまいます。

感染症のリスク

市営のプールなどでは、不特定多数の大人や子供が利用するため、尿・汗・唾液・便由来の微生物が混る可能性が高く、感染症のリスクは上がってしまいます。
例えば、下痢をしている子供がプールに入った場合、便中のウイルスや寄生虫が広がってしまい、他の子が水に潜ったときに目や口に入ってしまい感染してしまいます。
主に感染しやすい感染症には下記のようなものがあります。

感染症症状感染経路
アデノウイルス発熱、喉の痛み、結膜炎水や飛沫
クリプトスポリジウム水様性の下痢便中に含まれる原虫が口に入る
ノロウイルス嘔吐・下痢接触または水中経由

低体温・熱中症のリスク

幼児は体表面積が大きく体温を外部に逃がしやすいため、体がすぐに冷えてしまいますが、一方で発汗機能も未熟なため、のどの渇きを感じにくく脱水を起しやすいことも特徴です。
上記の理由から水温が低いと低体温症、逆に炎天下では熱中症のリスクが高くなってしまいます。

水温が28℃未満の場合、短時間でも唇が紫色になる・震えるなど低体温の兆候が出ることがあります。
反対に気温30℃以上・湿度60%以上の場合、直射日光の下で30分以上遊ぶと脱水から熱中症に進行することもあるため、プール遊びをするときは注意が必要です。

日焼け・紫外線のリスク

幼児の皮膚は大人よりも薄くメラニン量が少ないため、大人が考える以上に日焼けによるダメージが大きくなってしまいます。
また、紫外線は皮膚がんのリスクや免疫機能の低下とも関連があるとされており、子供達への影響も懸念されます。

くもりの日でも紫外線は80%以上通過してしまうので、「今日は涼しいから大丈夫」と思っていても、重度の日焼けになることもあるため、しっかりと日焼け止めを塗るなどの対策をしてあげる必要があります。
とくに、紫外線の強い時間帯は避けるなど根本的な対策もしてあげたいですね。

発達段階への配慮

幼児は身体能力や恐怖感のコントロールが未熟なため、プールでは思いがけない事故が起こってしまいがちです。
例えば「浮き輪に乗っているから大丈夫」と思っても、ひっくり返ってしまったり、穴の部分からすり抜けてしまうことがあります。
また、その経験が子供の水嫌いや自信喪失にもつながってしまうこともあります。

子供達は突然の事故だけでなく、「顔に水がかかる」「目にしみる」といった大人にとっては何でもない経験でも、トラウマになってしまい水嫌いになってしまったり、誰かに押されて水に入ったなどの「コントロール不能な体験」が自信を喪失させてしまいます。

水に対する安全教育

幼少期から「水は楽しいけど危ない」というバランスの取れた認識を持つことが、水辺での行動を安全にしてくれますが、水を過剰に怖がってしまったり、反対に危険性を知らないと重大な事故になってしまう場合もあります。
例えばママやパパと一緒に「水に入るのは大人と一緒」などのルールを遊びながら学ぶことで、事故のリスク減らしたりルールを守る習慣が育ちます。

プール遊びの安全対策

プール遊びはしっかり安全対策を行うことで、子供が楽しく遊び得られるメリットも非常に大きいです。
ここでは安全対策について解説していきます。

溺水防止のための対策

子供から離れない

溺れるのを防ぐためには、保護者が常に腕の届く範囲で見守るようにしてあげてください。
腕が届く範囲に子供がいれば不意に起こる事故や気が付きにくい溺水にも対処が可能です。

大人1人につき子供2人まで

注意が分散しやすくなるため、大人1人で複数の子どもを監視しないようにしましょう。
1人の大人が面倒を見る幼児は1人か2人までが望ましいとされています。

ライフジャケットで事故防止

浮き輪はひっくり返ったときに抜ける可能性あるため、出来る限り水遊び用ライフジャケットなどを着用するようにしましょう。
ちなみに、米国消費者製品安全委員会(CPSC)ではU.S. Coast Guard認定の救命胴衣の使用を推奨しているそうです。

感染症への対策

シャワー徹底

プールに入る前と入った後のシャワーを徹底することでも感染症の予防が可能です。
汗・汚れ・便中の微生物を洗い流すことにより、プールの汚染リスクを減少させてくれます。

体調が悪い時はプール禁止

風邪などで下痢などお腹の調子が悪い時はプールに入らないようにしてください。
便中に含まれる病原体(クリプトスポリジウムなど)は、わずかな量でも感染源になるリスクがあるため、周りに病気をうつさないためにも注意しておきましょう。
また、体調が悪い時は免疫力が下がっている可能性があるため、感染してしまうリスクも上がってしまいます。

スイミング用のオムツを着用

排泄物が漏れるリスクがあるため、通常のオムツはプール遊びには使用せずに、用途にあったスイミング用オムツを使用しましょう。
また、うんちやおしっこをしていないかいつもよりも確認し、定期的に交換しておきましょう。

熱中症・低体温対策

水温をチェック

日本小児科学会によると「水温30〜32℃」が適温とされており、これ以下では体温が急激に下がる可能性があるため、必ず確認しておきましょう。

気温をチェック

気温が25℃以下もしくは30℃以上の日は、プール遊びは控えるか短時間(20〜30分)にし、気温が低い日は唇の色・震え・顔色をこまめに観察し暑い日はプールサイドにも日よけ(タープ・テント)を設置するようにしましょう。

こまめに休憩をとる

プール遊びをするときは30分ごとに休憩を取り、子供たちの体温や表情を確認してください。
子供の状態によって日陰で体を温めたりクールダウンするようにしてあげましょう。
また、汗をかいていなくても脱水状態になる可能性があるため、こまめに水分補給もするようにしましょう。
とくに炎天下では脱水になる可能性が高くなるため、いつも以上に注意が必要です。

日焼け・紫外線対策

ラッシュガードや帽子の着用

日焼けや紫外線対策には、肌を露出させない衣類を着ることが最も効果的な防御策とされています。
ラッシュガードや帽子を着用して、極力肌を紫外線にさらさないようにしましょう。

日差しが強い時間帯を避ける

紫外線が最も強い時間帯である、10〜14時の直射日光を避けることも重要です。
対策をしていても紫外線が強ければ、どうしても日焼けなどにつながってしまうため、プール遊びをする時間帯を調整して遊びましょう。

日焼け止めを使う

プール遊びをする前に、SPF30以上・PA++以上のウォータープルーフの日焼け止めを塗ってあげましょう
もちろん子供の肌に合ったモノを使う必要はありますが、プール遊びでは日焼けのリスクが高いためSPF30以上が望ましいです。
また、2時間ごと、あるいは水から出た後に塗り直すことで、紫外線から子供たちの肌を守ってくれます。

心理的・発達的な配慮をする

水に慣れさせる

いきなりプール遊びで顔に水をかけたり、浮く練習をするのではなく、水慣れを段階的に行うことが重要です。
「まずは足から入水→膝まで→顔つけ→浮く」、など少しずつ慣らすようにしてあげると、水に対する不安を感じにくくなります。

子供に楽しいと感じてもらう

大人が考える楽しさではなく、子供にとっての「楽しい」という体験を重視しましょう。
例えば「きっと子供が喜ぶだろう」と考えて水をかけたり、浮き輪があるからと足がつかないところに連れて行ってしまうのは逆効果です。
無理強い・押しつけ・急な水かけなどは避けるようにして、子供の様子を見ながら遊びを提案しましょう。

成功体験を積ませる

水への恐怖心を減らすためには、水遊びでの成功体験を積んでもらうことが効果的です。
例えばプールで水に入るのを怖がっていた子供が自分から入ることが出来たら、「できたね!すごいね!」というポジティブな声かけをしてあげることで、自己肯定感と水への適応力を高まります。

効果的な安全教育の方法

幼児期には「水辺に近づくときは大人と手をつなぐ」「お友達を押さない」などのルールを繰り返し絵本や遊びで教えるのが効果的です。
2009年の研究では、早期の水慣れ・遊びが水に対するポジティブな態度と将来的な泳力向上に寄与するともされており、危険性を学び水との上手な付き合い方を知ることで、子供たちによい影響を与えてくれます。

まとめ

幼児期に初めてプール遊びをする子供も多いと思います。
それはママパパが子供とプール遊びを初めてするということでもあり、大人とは違う注意点に気をつけなければなりません。
溺れる事故が非常に多いため、いつも通りの遊びでの見守り方ではなく、プール遊びならではの見守り方を知っておくことで、不意の事故を防ぎ水への恐怖心を減らしてあげることで、子供達も水との正しい接し方や楽しさを学ぶ機会を得ることが出来ます。

浅い家庭用プールでも危険は隠れているので、油断せずに安全対策を行って、子供たちに楽しいプール遊びを経験させてあげましょう。