「うちの子供、他の子供に比べて太っているかも…」「毎日食べ過ぎてる気がする…」そんなことを思ったことありませんか?
子供が太ってきてしまったと思ったときには正しい知識を取り入れて、事実確認を行い対応することがとても大切です。
必要に応じて専門機関に相談してみるのも一つの手ではありますが、毎日の食事を変えることで良い方向に向かうこともあります。
ママやパパの思い込みだけで「太っている」として、ダイエットなどをさせてしまう前に、今回は乳児~中学生ごろまでの肥満の判断方法と対処方法について紹介します。
目次
肥満の判断方法
肥満の見分け方はしっかり計算式があるのはご存じでしょうか?
大人でいえば、毎年の健康診断でBMIの数値が出され、肥満かどうか判断されますが、実は年齢によって使用する計算式にも違いがあります。
年齢別に計算した結果によって、子供が肥満かどうかを判断するようにしましょう。
ネットでも計算用のサイトがありますので、活用をしてみてください。
▶ 生活や実務に役立つ高精度計算サイト|子供の肥満
生後3か月~5歳までの子供の計算式
生後3か月~5歳までの子供の場合、「カウプ指数」という計算式を用いて判断します。
カウプ指数は子供の発育の度合いを表す1つの指標であるため個人差があり、必ずしも正常値ではないといけないものではないと思っておいてください。
事前に子供の身長体重をしっかり確認しておき、下記の計算式にあてはめてください。
カウプ指数 = 体重(kg) ÷ 身長(m)2
年齢 | 正常値 |
---|---|
乳児(3ヶ月~11ヶ月) | 16~18 |
1歳~1歳6ケ月未満 | 15.5~17.5 |
1歳6ケ月~3歳未満 | 15~17 |
3~5歳 | 14.5~16.5 |
判定基準は下記のとおりです。
指標 | 判定 |
---|---|
13未満 | やせ |
13〜15未満 | やせぎみ |
15〜18未満 | 正常 |
18〜20未満 | 肥満ぎみ |
20以上 | 肥満 |
6歳~15歳までの子供の計算式
6歳~15歳までの小・中学生の子供の場合、「ローレル指数」という計算式を用いて判断します。
ローレル指数は子供の身長と体重から「学童期の発育状況を知る目安の数値」とされており、「身体充実指数」とも呼ばれ、栄養状態・発育状態の指数で、肥満・やせの尺度となる指数です。
カウプ指数同様に子供の身長体重をしっかり確認しておき、下記の計算式にあてはめてください。
ローレル指数 = 体重(kg) ÷ 身長(m)3 × 10
年齢 | 正常値 |
---|---|
100未満 | やせすぎ |
100〜115未満 | やせてる |
115〜145未満 | ふつう |
145〜160未満 | ふとっている |
160以上 | ふとりすぎ |
肥満の対処方法について
幼児期の肥満者の25%、学童前期の肥満者の40%、思春期の肥満者の70%~80%が将来成人肥満に移行すると言われています。
過度に心配し、無理なダイエットをする必要はありませんが、子供が肥満だとわかった際、家庭でできる対応は意外と多くあります。
家庭でできる対処方法を実践しつつ、肥満度により専門機関の指導を受けてみるのもよいかもしれません。
食生活を見直す
まず一番最初にやりたいのは食生活の見直しからです。
バランスの良い食事と摂取カロリーに気をつけながら、子供の食事を用意してあげましょう。
とくに間食に注意して、バランスの良い食事と食事の回数はしっかり守っていきたいですね。
日々の食事で不足しがちな栄養素、摂取しがちな栄養素を見直し、適量をとれるよう、子供たちの好き嫌いなどにしっかり向き合ってあげましょう。
日本小児科学会では食事について、下記のように推奨されています。
基本は、1日 3 回の食事と 1 回の間食とし、早寝早起きの生活リズムを身につけます。
献立の基本は、大皿盛りにせず、一汁二菜(主食、汁物、主菜、副菜)の組み合わせにして個別に盛り付けます。
主菜は肉類に偏らずに卵類、魚介類などまんべんなく用意します。野菜、海藻などよく噛める料理を増やして好き嫌いなく食べられるようにします。
苦手とする食品は、楽しい食育を通して馴染ませていきます。
味付けの工夫やお手伝いをさせるなど食品に親しみをもたせ、子ども自身の食べたい気持ちを引出します。
塩分が多い加工品、塩蔵品や卓上調味料などの使用は控えます。
外食や甘い飲みものは減らします。
時には惣菜の上手な利用法、アレンジのしかたを伝えると実行しやすくなります。
魚介類、豆類、野菜類、果物類は不足しがちです。
「こうしたら苦手な食品もおいしく食べられる」というように、試してみたくなるような献立例を具体的にあげましょう。
孤食は避け、楽しい食卓を心がけます。
姿勢を正して食べられるように椅子やテーブルなどの高さなどを成長に合わせて調整します。
保護者はじめ周囲の大人は、食べたい物を食べたいだけ与えることがないように協力します。
基礎代謝については日本医師会の下記サイトがとても分かりやすく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
▶日本医師会|1日に必要なカロリー 推定エネルギー必要量
運動量を増やす
「学校の体育の授業や登下校で体を動かしているし大丈夫」なんて思っているママやパパはいませんか?
現状肥満であるなら、運動量が足りていない場合が考えられるので、前述した「食事の見直し」以外に「有酸素運動」も取り入れましょう。
食事の見直しだけで、運動量が足りていない場合、やせたとしても皮膚のたるみなどが起こる場合があり、健康的ではありません。
肥満の対策として運動を行う場合、運動を始めてから20分から脂肪が燃焼し始め、効果の持続は2日が限度であるため、週3回以上、毎回30分以上の運動を心がけましょう。
最初から激しい運動や、30分以上の運動をする必要はありません。
子供が運動能力に合わせて、ウォーキングから始めたり、10分から始めるなど継続できる工夫を行いましょう。
また、肥満解消のためであればウェイトトレーニングなどの無酸素かつピンポイントな筋力トレーニングは不要です。
好きなスポーツなどがあれば、それを取り入れてもよいでしょう。
おススメの有酸素運動は下記のとおりです。
いわゆる「運動」だけでなく、日々の生活において、動いている時間を増やすことも大切です。
例えば外で遊ぶだけでなく、お風呂掃除などの掃除系が体をよく動かしますし、お手伝いもしやすい家事ですよね。
ぜひ子供とのコミュニケーションを図りながら取り入れていきたいですね。
生活習慣の見直し
食事と運動習慣の改善だけでなく生活習慣の見直しも必要です。
睡眠や食事の時間、家で座ることが多ければ、体を動かせる時間を作るなど、「睡眠・食事・運動」をメインに生活習慣を見直してみましょう。
睡眠についてよく早寝早起きと言われますが、必要な睡眠時間を決まったルーティンでとることが重要だそうです。
例えば小学生であれば9~12時間の睡眠が必要だとされており、朝6時に起きるとして、毎日21時には寝るように決めるなどが大切です。
また、夜更かしをしてしまった場合にも起きる時間を変えないことも大切とのことです。
睡眠時間が足りないときは、休日であればお昼寝の時間を多少入れると睡眠負債も軽減されるそうです。
まとめ
近年では子供の肥満率は年々増加傾向にあるそうで、将来の生活習慣病も危惧されているそうです。
ゲームやスマホの普及、公園の廃止や異常気象、子供の声などのクレーム、犯罪率の増加など子供を取り巻く環境の悪化も影響して運動できる環境が減っている部分もあるかと思います。
親としては不安なことは多いかと思いますが、できる限り子供と一緒に運動する機会を増やしたり、友達と遊ぶ時も学校の校庭や広い公園などを利用して、遊ぶようにしていきましょう。
とくに食事の見直しや運動の機会を増やすことは、ママやパパの生活習慣病のリスクを減らすことにもなりますから、親子で一緒に取り組んでみるのもいいかもしれません。
筆者自身も子供が産まれて、趣味のスポーツをやめ、食事制限もトレーニングもしなくなってからは脂肪が増えたように感じます。
もしも子供が肥満気味になったら、子供と一緒になって改善してお互いに成果を自慢しながらコミュニケーションの一環としてみようと思います。