【噛む力の向上はメリットだらけ!】家でも簡単にできる!子供の噛む力を鍛える3つの方法

子育て・出産

子供の噛む力がとても重要で、鍛えるとすごくいい効果があることはご存じですか?
昔から「よく噛んで食べなさい」なんて言葉をよく聞きますが、よく噛むこと研究の結果メリットしかないと判明してきています。
日々の食事やトレーニングで噛む力を意識して鍛えると子供の発達を助けたり、虫歯の予防や歯並びが整うなど、子供たちにとって有益な効果をもたらしてくれます。
今回はそんな「噛む力」に焦点を当てて、噛む力の重要性や家で出来るトレーニング、用意しておきたい食材についてご紹介します。

「噛む力」はなんで重要なの?

「噛む」つまり「「咀嚼」は顎を動かし、よく噛むことで脳や言語の発達、虫歯の予防に役立つなど様々いわれていますが、「卑弥呼の歯がいーぜ」という食育標語がある通り、咀嚼は様々な効果があります。
上記の食育標語は8つの効能の頭文字をとって、わかりやすくまとめたものです。

  • 肥満防止
  • 味覚の発達
  • 言葉の発音がはっきり
  • 脳の発達
  • 歯の病気を防ぐ
  • がん予防
  • 胃腸の働きを促進
  • 全身の体力向上

肥満防止

よく噛むことによって、脳は少量でも満腹感を感じやすくなり、食欲が抑えられ、生活習慣病の原因の一つである肥満の予防になります。

味覚の発達

食べ物の味成分は噛むと外部に放出され、舌のにある味覚を感じる「味蕾」をによりさまざまな味として感じることができます。
そのため、よく噛むほど味を感じやすくなり、味覚の発達につながります。

言語の発音がはっきりする

食べ物を食べるときの唇や顎の動き、飲み込むための下の動きが言語の発達に役立ちます。
そのため、食べ物をよく噛んで食べることにより、言語を話すときの練習にもなります。

脳の発達

脳の発達といっても具体的にどんな効果があるのかというと、食べ物を噛むと咀嚼筋が伸び縮みして下顎を動すことで、周辺の血管や神経が刺激され、全身の血流量が増し、脳への血流量が増加します。
その結果、脳の記憶を司る「海馬」が刺激され記憶力が増していくとのことです。
実験の結果もありましたので、掲載しておきます

幼稚園児を対象とした実験でも、通常のメニューによる給食を食べるグループと、噛みごたえのある食べ物を加えた給食を食べるグループとでは、噛みごたえのある食べ物を食べているグループの方が、記憶テストの成績がよかったとの報告があります。よく噛んで脳血流量を増加させると、記憶を司る海馬が活性化されて、その結果記憶力が増すと考えられています。そのため、記憶力が必要な試験勉強の時などにガムを噛むのは有効と思われます。

独立行政法人農畜産業振興機構 様より引用

歯の病気を防ぐ

食べ物をよく噛むことにより、唾液が多く分泌されます。
唾液には、食べ物の残りかすやバイ菌を洗い流し口の中をきれいにする自浄効果、抗菌作用や殺菌作用の効果、食べ物や菌で溶けた歯を元に戻す歯の再石灰化など様々な効果があります。
そのため、よく噛むことで唾液を分泌すると、虫歯や口臭の予防につながります。

がん予防

こちらも食べ物を食べる際に出てくる唾液による効果です。
唾液に含まれるペルオキシダーセという酵素が、食品の発ガン性を抑える効果があり、これががん予防につながります。

胃腸の働きを促進

よく噛むことにより、食べ物が小さく細かくなり、胃に入ったときに消化酵素が速やかに、まんべんなく作用します。
また、よく噛むことで、口の中から大量の感覚情報が脳に送られます。それによって自律神経系が刺激され、消化管の運動が活発になります。
そのため、必要な栄養が体内に取り込まれ、不必要な残りカスだけが排出され、お通じもよくなります。

全身の体力向上

「噛む」行為は身体を動かす「骨格筋」などの反応や動きに影響を与えます。
噛むことで約8%程度筋力の向上が認められるそうです。
そのため、固い物をよく噛んで食べると、上下のあごの骨や顔の筋肉が発達し、丈夫な顎をつくることができ、様々な運動の際に役立ちます。
また、食べ物をより細かく咀嚼すると胃腸内での消化が促進され、栄養素が効率的に吸収されるため、体力向上につながります。

噛む力を強くするためには?

よく噛むことは重要ですが、家でできる噛む力の鍛え方をご紹介します。

毎日の食事でできる練習

まずは食事中にできる訓練方法をご紹介します。
子供の年齢により、全部は難しい場合もありますので、できるところからやってみましょう。

  • 一口で30回以上噛む
  • 一口ごとに食器をおく
  • 少量ずつ口に入れて噛む
  • 歯ごたえのある食材を食べる
  • 食材を少し大きめにカットする
  • 食材をいつもより硬めにする
  • テレビなどを消して食べることに集中する

噛む力を鍛えるトレーニング

噛む力を鍛えるトレーニング方法を見つけたのでご紹介いたします。
※本トレーニングは「医療法人社団 癒合会 高輪クリニックグループ 高輪クリニック」様のサイトより引用しております。

頬のトレーニング

頬を鍛えることで咀嚼力が高まり、食事中の噛み疲れを起こしにくくなります。

<頬トレーニングのやり方>

  1. 片方の頬を空気で膨らませて数秒間キープする
  2. 膨らませる頬を入れ替えて数秒間キープする
  3. 同じ作業を繰り返す

顎のトレーニング

顎のトレーニングを行うと、頬の筋肉を増強でき、噛む力を鍛えることができます。

<顎トレーニングのやり方>

  1. 顎を上下左右、前後に大きく動かし、それぞれ1秒間止める
  2. 徐々にスピードを上げながら繰り返す
  3. ガーゼを片側の奥歯の上に置いて軽く噛む

げんこつマッサージ

げんこつマッサージを行うと、口周りの血流を促進し、口を開きやすくさせるといった効果に期待できます。

<げんこつマッサージのやり方>

  1. マッサージする場所を少しずらして、20秒間のマッサージを2~3回繰り返す
  2. げんこつを作り、第1関節と第2関節の間で側頭筋を押さえる
  3. そのまま円を描くように20秒間マッサージする

ガムを使ったトレーニング

このトレーニングではガムを使用するため、お子さんが小さいうちは避けた方がよいかもしれません。
ガムを食べれる目安は3歳半~4歳ごろといわれており、飲み込まない約束が守れるようになってから行ってください。
なお、トレーニングにはAmazonなどで購入できる「キシリトール咀嚼チェックガム」を利用すると咀嚼力が可視化できて非常に便利です。

訓練方法

非常に簡単なガムを使った咀嚼力を鍛えるトレーニング方法をご紹介します。
1~3の手順を必ず口を閉じながら行ってください。
また、トレーニング初期や子供によっては10分が長く耐えられない場合は、短い時間から始めても大丈夫です。

  1. しっかり唇を閉じて、ガムを左右の歯で5回づつ噛む
  2. 唾がたまったら、口を閉じたまま奥歯をかみ合わせて唾をのむ
  3. 10分間繰り返す

噛む力の向上に役立つ食材

よく言われるのが硬い食材が噛む力を向上させるといいますが、とくに食物繊維を多く含む食材が噛む力の向上に最適です。
また、カルシウムを多く含む硬い食材も、骨や歯の成分となるため、非常に効果的です。

食物繊維を多く含む食材

食物繊維を含む代表的な食材をご紹介します。

  • たけのこ
  • レンコン
  • にんじん
  • ほうれんそう
  • 小松菜
  • りんご
  • さつまいも
  • 大豆
  • いんげん
  • ごま
  • アーモンド
  • くるみ
  • きのこ類
  • ひじき

カルシウムを多く含む食材

カルシウムを含む代表的な食材をご紹介します。

  • 煮干し
  • こんぶ
  • わかめ
  • するめなどの干物
  • 貝類

まとめ

近年では噛む力が弱い子供が増えてきており、歯科医院でも歯並びが悪い子供がよく通院しに来るそうです。
歯の矯正の技術もかなり進んできており、早くから矯正すれば治るケースが多いようですが、今回ご紹介した通り噛む力が及ぼす影響が非常に大きいので、ぜひ家でも子供だけでなくママやパパも一緒に噛むトレーニングを行って、家族で噛む力の向上を行ってください。
特におススメなのが顎の力を鍛えるトレーニングで、子供とのスキンシップやコミュニケーションにもなるので、噛む力の向上だけでなく子供の精神衛生面にも最適です。

今回はメリットだらけの噛む力を鍛える方法をご紹介しました。
噛む力を鍛えて子供の健康を守りましょう!