【夏の外遊びも安全に乗り切ろう】夏の外遊びで注意しておきたい7のコト

子育て・出産

子育て中の皆さんお疲れ様です。
夏の屋外遊びは、体力づくり、感覚の発育、社会性の獲得など幼児の成長に多くのメリットがありますが、熱中症や紫外線(UV)、脱水などのリスクもあり、ママ・パパも注意しておきたい季節ですよね。
今回は、子供(とくに1歳〜小学生低学年)が夏に外遊びをするなら注意しておきたい7項目について解説していきます。

注意したい7のコト

熱中症対策

近年気温の上昇も著しいため、誰でもなる可能性があり、命に係わる非常に危険な熱中症ですが、子供はとくに注意が必要です。
子供は大人に比べて汗をかきにくく、体温調節機能が未熟なため、急激な気温上昇や湿度増加によって体温が上がりやすく、熱中症リスクが高まります
米国小児科学会でも、気温30℃・湿度60%以上の環境ではとくに注意が必要とされています。

有効な予防策

屋外活動の時間帯選定

午前10時〜午後2時は気温・紫外線ともにピークなので、早朝や夕方に遊ぶのが望ましいとされています。

こまめな水分補給

少量ずつ頻回に水分補給を行いましょう。
米国熱中症対策ガイドラインによると電解質タブレットやスポーツドリンクを薄めて使用するのも有効とされ、保冷ボトルや凍らせたペットボトルを利用するのも効果的です。

休憩と日よけの活用

30〜60分ごとに日陰や室内でクールダウンしましょう。
帽子・パラソル・テントなどで直射日光を避けるのも有効です。

服装の工夫

通気性がよく、遮熱性のある素材(コットン混紡・UVカット生地)をしっかり選びましょう。
薄手の長袖長ズボンも日焼け・虫刺され対策になるので、夏でも長袖を選択肢に入れておきましょう。

気温の把握

暑さ指数は温度・湿度・輻射などを総合し、熱中症リスクを判断しています。
日本スポーツ協会では25℃以上は警戒、31℃超なら運動制限が推奨されており、その日の気温をしっかり把握しておきましょう。

紫外線(UV)対策

紫外線は皮膚への急性・慢性ダメージ(やけど、シミ、皮膚がん)だけでなく、眼への影響(白内障のリスク上昇)もあります。
幼児期のUV曝露は後の皮膚がんリスクとも関連するとの疫学研究もあるほどなので、しっかり対策してあげましょう。

対策

服装でブロック

UVカット素材(UPF50+)の帽子、長袖などを着用し、出来るなら顔周りのカバーできるとより効果的です。

日焼け止めの塗布

SPF30~50、PA+++程度を選び、顔や首など露出部に適量を塗るようにしてください。
また、2時間ごとの塗り直しが効果的とされているので、遊んでいる最中でも休憩がてら塗りなおしをしましょう。

サングラスの利用

日差しが強い時などは、目へのダメージも上がります。
「子供にサングラスは…」と思うかもしれませんが、幼児用UVカットレンズを使用して紫外線から目を守るのをおススメします

水分補給

夏場は汗をかきやすく、汗から大量に水分・ミネラルが失われてしまいます。
熱中症だけでなく脱水やその他のリスクも上がってしまうため、経口補水液やスポーツドリンクなどでしっかり水分補給をしましょう。

水分補給の注意点

  • 自分で飲む量が判断できない幼児には、数分おきに声かけして水分補給を促すことが重要
  • 小児腎臓科学会報告によると熱中症だけでなく尿路結石リスクの軽減も期待されている
  • 遊んでいる最中だけでなく、その前後の水分補給も非常に大切
  • スポーツドリンクなどに含まれる糖分の取り過ぎには注意

感染症のリスク

夏は細菌・ウイルスが繁殖しやすいため、プール熱や手足口病などの感染症にも注意が必要です。
子供の周りで流行している感染症にも注意しながら、しっかりと対策していきましょう。

対策

  • 共有する遊具(ボール・水遊び用具など)は定期的に洗浄・消毒
  • こまめな手洗い・うがいと、必要に応じてアルコール消毒を行う
  • 集団で遊ぶ場では、公衆衛生ガイドラインに沿った清掃・換気が推奨されている

虫刺され

夏場は人を刺す蚊やブヨなどの害虫が増えるため、これらによる皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー反応、デング熱などの感染症に注意が必要です。
しっかり対策を行って子供たちを守ってあげましょう。

対策

  • 虫除けスプレー(DEETやイカリジン含有)を適切に使用
  • 長袖・長ズボン・網付き帽子で物理的に防ぐ
  • 薬剤使用前のパッチテストや、肌の弱い子供は専門家に相談

睡眠をしっかりとる

夏の暑さは体力を奪い、就寝時の体温調節も乱してしまいます。
寝不足により熱中症にかかるリスクも上がることが研究で分かっているため、十分な睡眠をとることでリスクを減らしておきたいですね。
夏場は睡眠の質も下がりがちなので、睡眠の環境を整えながら午睡も活用して、子供が疲労回復できるように努めましょう。

対策

  • 午睡後の体温・水分補給をチェック
  • 就寝前は冷風扇や除湿モードで20〜25℃の快適環境を整える
  • 疲労サイン(ぐずり、食欲低下、巡視神経不安定)があれば午後の活動は控える

緊急時の対応ルール

万が一、子供に熱中症・熱けいれん・脱水症状が出たらすぐ対応できるように、事前に緊急時のルールを決めておくことは非常に重要です。
また、子供にも家族や友人に同様の症状が起きたら周りの大人を呼ぶように教えておきましょう

対応ルール例

  1. すぐに涼しい場所へ移動
  2. 衣服をゆるめ、冷たいタオルで脇・首後ろ・手首を冷却
  3. 経口補水液を少しずつ与える
  4. 意識障害や嘔吐、けいれんがある場合は救急車を躊躇なく要請

遊ぶ前のチェックリスト

今回紹介した注意事項をもとにチェック項目を作成しました。
子供たちを守るために、外遊びの前にママやパパが確認・対応をしてあげてください。

項目チェックポイント
気温外の気温は31℃超えていない?
時間帯遊ぶ時間は午前9時前/午後3時以降?
服装UVカット+通気性は問題ない?
帽子あご紐付き?
遮光性は問題ない?
水分冷水・経口補水液を用意してある?
休憩場所日陰/屋内でクールダウンできる場所はある?
予防策虫除け・日焼け止め済み?
衛生遊ぶ道具は消毒済み?
お手洗い場所は確認済み?
緊急対応対応ルールは把握済み?
救急連絡先・応急キットあり?

日本政府・関係省庁の注意喚起まとめ

ここでは政府や関係省庁による注意喚起を簡単にまとめていますので、参考程度に確認してください。

こども家庭庁(旧消費者庁・内閣府)

環境省・気象庁

  • 「熱中症警戒アラート」を共同で発表。暑さ指数(WBGT)33以上で当日・前日に注意喚起
    熱中症予防対策ガイダンス
  • ウェブやSNS、アプリを通じ、地域ごとの警戒情報を配信し、早期対応を促進

文部科学省・スポーツ庁

  • 学校向けに「熱中症事故防止」の通知発出。
    • 「暑熱順化」(徐々に暑さに慣らす)やWBGTによる活動制限を指示
    • 25〜30℃レベルでも注意すべきと強調し、日常的な対策の重要性を提言
    • 教職員向けにチェックリストや研修告知、空調設備の整備推進
  • 学校安全ポータルで「熱中症予防の原則」を共有(環境把握・水分補給・服装・早期中止など)
    熱中症・水難事故防止関連情報

消費者庁

学会・専門家からのガイドラインまとめ

ここでは学会や専門家からのガイドラインを簡単にまとめておきますので、参考にしてみてください。

日本小児科学会

  • 幼児は体温調節が未熟で、脱水・熱ストレスに極めて弱いとし、屋外・屋内(エアコン未使用)での注意を強調
  • 応急処置として首・脇・太ももの冷却、経口補水液の使用、症状が重い場合は救急車要請などを具体的に推奨
    小児科|熱中症

日本スポーツ振興センター・日本スポーツ協会

  • 「高湿度・急な気温上昇の危険性」「暑熱順化の必要性」「部活動中の特別注意」などを指南するガイドラインを発行
    夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2020
  • 肥満や体力不足の子どもは特にリスクが高く、運動内容や回数を慎重に調整すべきと明示

まとめ

今回は夏の外遊びに関する注意事項をまとめてみましたが、今回解説した内容は「夏」限定ではなく暑ければいつでも使える内容なので、ぜひ覚えてみてください。
暑さは「大丈夫」という油断が事故を招きます。
大人よりも子供の方が暑さを感じやすく、地面にも近いため熱中症などにかかりやすくもなります。
自分で警戒することが難しい子供達の代わりにママやパパがしっかり警戒し、子供たちの安全を確保してあげることが大切です。
今年の夏も安全に楽しく乗り越えていきましょう。